被削材の種類や分類、被削材ごとの加工時の注意点を徹底解説

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被削材の種類や分類、被削材ごとの加工時の注意点を徹底解説

切削加工を行う際、被削材にはそれぞれ異なる特性があるため、特性に合わせた方法で加工を行うことが、作業の安全や効率、工具寿命の面からは重要です。 被削材の種類と分類、それぞれの特性と切削加工時のポイントなどをご紹介します。

被削材(ワーク)とは

切削加工を行う対象の被削材(ワーク)は、金属素材と非金属素材に大きく分けられ、金属素材はさらに鉄鋼素材と非鉄金属素材に分けられます。 このように金属素材を被削材という観点で見たとき、ISO(国際標準機構)規格でP、M、K、N、S、Hの6種類に分類され、対応する切削工具が容易に選定できるようにもなっています。 基本的に被削材が硬いほど、切削工具は摩耗しやすく切削抵抗も大きいため、被削性は悪いです。しかし、被削材が柔らかすぎても切り屑の処理が困難になったり、粘り強さによって切削抵抗が大きくなったりします。刃先への溶着も起こりやすいため、柔らかすぎる被削材も被削性が高いとはいえません。 硬すぎず柔らかすぎず、被削材の硬さを表すブリネル硬さが180~200HB程度のものが切削しやすいとされています。

鉄鋼素材の特徴

鉄鋼素材には、ISOでP系列に分類される鋼やM系列のステンレス、K系列の鋳鉄などが含まれています。材料の種類によって特徴や被削性は異なるため、それぞれに適した工具選定や切削条件設定が必要です。

・鋼

鋼とは炭素を含む鉄鋼のことで、炭素の含有量によって硬さや粘り強さが異なります。SS材・S-C材、SK材などに分類され、それぞれ被削性が異なるため、切削工具も適しているものを使い分けなければなりません。
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・プリハードン鋼

プリハードン鋼は金型の材料として普及している金属材料です。中程度の焼き入れ処理が施されているため、金型製造時の加工コストに優れ工数削減も図れるといったメリットがあります。 プリハードン鋼としてはNAK55やHPM1が代表的で、鏡面仕上げ性やシボ加工性、被削性など、金型製造に関する性質において優位性があるよう調質されているのが特徴です。
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・ステンレス

ステンレス鋼は耐食性に優れていて錆びにくいという特徴を持ち、身の回りの日用品から大規模な装置の部品まで幅広く使われています。被削性は悪いので、工具選定や切削条件設定の際は注意が必要です。 また、オーステナイト系・フェライト系・二相系・マルテンサイト系などに分類され、それぞれ特性と被削性も異なるため、工具の選定や切削条件設定も変えなければなりません。
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・鋳鉄・鋳物

鋳鉄に代表される鋳物には、鋳物全体で見るとアルミニウムや銅、マグネシウムなどから作られる鋳物もあります。鋳物に使われることが多い鋳鉄にも、ねずみ鋳鉄やダクタイル鋳鉄など、いくつか種類があり特徴が異なるため、加工の際は注意が必要です。 全体的に被削性は良いものの、種類によって切削条件と切削工具を使い分けることで切削効率向上と工具寿命が維持できます。
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・焼き入れ鋼(高硬度鋼)

鋼は熱処理を行うことで、さまざまな性質を与えることができます。熱処理によって強度を高めた鋼が焼き入れ鋼です。 焼き入れとは一定以上の温度まで加熱したあとに急冷する熱処理法で、鋼を硬くする目的で行います。しかし、焼き入れだけではもろくなってしまうため、焼き戻しと呼ばれる再加熱で硬さを調節しながら靭性も高めます。焼き入れ・焼き戻しはセットで行うのが一般的です。 このほか、焼きなまし、焼ならしなど、被削性を高めて加工効率をよくするための熱処理もあります。焼き入れによって硬度を高めた鋼は切削加工時の工具摩耗が激しいため、切削条件や工具選定に注意が必要です。
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・耐熱合金

耐熱合金は超高温化での使用を想定して作られた合金です。飛行機のジェットエンジンや火力発電のガスタービンなどで活用されています。 しかし、高温時にも強度を維持するよう作られた合金なので、切削熱によって高温になった場合の切削抵抗が大きい、熱伝導性が低く切削点に熱が集中するといった性質を持っています。耐熱合金は被削性の低い難削材であるため、工具選定と切削条件設定がより重要です。
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非鉄金属の種類や特徴

非鉄金属は、ISO規格でN系列に当たり、アルミ合金やマグネシウム合金、銅などの金属が分類されています。全体的に被削性は高いものの、粘りのある材質も多く溶着も起こりやすいため注意が必要です。

・アルミ合金

軽量なアルミニウムは、他の元素を加えることでアルミ合金になります。ジュラルミンや超ジュラルミンなどもアルミ合金の一種で、軽量という特徴に強度も追加したものです。 全体的に加工性に優れていますが、一部のアルミ合金には工具を著しく摩耗させるものもあるため、ポイントを押さえた切削加工を行う必要があります。
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・マグネシウム合金

マグネシウムは最軽量の実用金属です。強度や剛性に優れ、寸法安定性が高い、振動吸収性があるなどの特徴を持ち、幅広い用途で使われています。 マグネシウム合金を加工する際は切り屑が燃焼しやすいため、安全に考慮した対策とルールを遵守した作業が求められます。事故を防止し安全な切削加工を行うために、切削油の選定や切り屑の取り扱い、工具選定のポイントを確認しておくことが大切です。
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・銅/銅合金

銅は導電性と熱伝導性に優れる金属で、銅線やヒートパイプなどに使われています。加工性や耐食性も高く、古くから人類に使われていた金属です。合金の種類も多く、それぞれ異なる特性を持っているため現在も幅広い場面で活躍しています。 合金も含めて全体的に被削性は良好ですが、粘りが強いため切削速度や工具の選定には注意が必要です。
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被削材に合わせて加工を行うことが重要

硬いものや粘り強いもの、熱伝導性の良いもの、加工硬化しやすいものなど、被削材によって特性は異なります。被削材に合わせた加工を行わないと、工具寿命の低下や加工効率の悪化だけでなく、被削材によっては思わぬ事故を引き起こす可能性も考えられます。 被削材の特性を踏まえたうえで、適切な切削工具の選定と切削条件の設定を行い、加工していくことが重要です。