ねじ切り加工におけるタップの特徴は? タップの種類や加工時の注意点

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ねじ切り加工におけるタップの特徴は? タップの種類や加工時の注意点

タップは手作業と機械作業の両方において、さまざまなサイズのめねじを作ることができる 便利な工具です。ねじ切りバイトによる加工など、ねじ切り加工にはいくつか方法がありますが、タップを使った加工にはどのような特徴や利点があるのでしょうか。 この記事では、ねじ切り加工を行う前におさえておきたいねじの基礎知識から、ねじ切り加工の方法、タップやタップハンドルの使い方、タップ加工の方法や注意点などをご紹介します。

ねじの基礎知識

「ねじ」は機械や家具など、日常のさまざまなシーンで使われています。そのねじを作るために、らせん状のギザギザ(ねじ山)を作る工程が「ねじ切り加工」です。 ねじの中でもねじ山が外径側にあるものは「おねじ」、内径をくり抜いて作られたものは「めねじ」と呼ばれます。それぞれの切削を行うためには、ねじの規格をおさえておくことが重要です。

・ねじの規格

ねじの規格には、メートルねじや管用テーパーねじ、台形ねじなどがありますが、一般的に機械などで使用されるのは、メートルねじという規格です。 規格によってねじ山の角度や形状が異なり、メートルねじの場合はねじ山の角度が60°、管用テーパーねじの場合は55°となります。

・ねじのピッチ

ピッチとは、隣り合ったねじ山同士の距離のことです。たとえば、ピッチ1.5mmといったら山と山の距離が1.5mmあることになります。ピッチの数値が合わないねじ同士の接合はできないため、ピッチの寸法も加工の際に重要な要素です。

ねじ切り加工の方法

ねじ切り加工の方法には、いくつか種類があります。代表的な加工法は、ねじ切りバイトによる旋盤加工や、専用加工機によるねじ成形、タップやダイスによる成形などです。 それぞれの加工方法の特徴を知り、適した加工が行えるようにしましょう。

・ねじ切りバイトを使う加工

旋盤とねじ切りバイトと呼ばれる刃物を使用して加工を行う方法です。回転数と刃物の送り量をねじのサイズに合わせれば、おねじ・めねじどちらの加工も行えます。

外径を削っていくおねじ切りは加工の様子を確認できるため比較的簡単ですが、様子を確認できないめねじ切りは難易度が高いです。 工具の摩耗や作業精度次第では、仕上がったねじが規格からずれてしまう恐れもあります。

・タップを使用する加工

めねじの成形方法として最も一般的なのが、タップを使ったねじ切り加工です。ねじの規格に沿ってタップが作られているので、加工時に手間がかかりません。 機械や自動車の補修・保全、電気部品、制御盤や分電盤の製作、部品の大量生産など、さまざまな場面でタップによるねじ切り加工は行われています。

また、タップ加工にはタップハンドルを使った手作業をはじめ、フライス盤やボール盤、専用加工機を用いる方法など、いくつか種類があります。

・ねじ切り盤による加工

ねじ切り盤と呼ばれる、ねじ切り加工に特化した機械で加工を行うことも可能です。アンカーボルトや水道管に使用するパイプなど、大型のねじを作る際に使われます。 ねじ切り盤では、チェーザと呼ばれる切削工具を複数枚同時に使用して加工を行うため、加工効率が良好で、粗削りから仕上げまで連続して作業できるのが特徴です。

タップの種類

タップはめねじの成形方法によって、切削タップと転造タップの2つに大きく分けられます。それぞれの違いを簡単にご紹介します。

・切削タップ

切削タップは、あらかじめあけておいた下穴にタップを挿入してねじの谷部を切削し、ねじ山を作っていく加工法です。切削タップにはハンドタップ・ポイントタップ・スパイラルタップ・管用タップなど、複数の種類があります。種類によって形状や機能・用途が異なるため、適切な使い分けが大切です。 これらのタップを使い分けることで、調質された金属から軟鋼や樹脂といった軟素材まで、幅広い被削材に対してタップ加工を行うことができます。

・転造タップ

転造タップでは、材料の塑性変形によってねじ山を成形します。切削を行わないため切りくずが排出されず、精度の高い加工が可能です。しかし、作業の特性上加工対象となる素材の材質は限定的で、高い下穴精度も求められます。 転造タップは、展延性が高く比較的柔らかい金属のタップ加工に使用されるのが一般的です。

タップの種類については以下の記事でも詳しく解説していますので、ご参照ください。

⇒タップの種類について詳しくはこちら

タップハンドルの種類

タップ加工は金属や樹脂などの被削材を切削していく作業なので、タップを回転させるにはある程度の力が必要です。一般的にはボール盤などの工作機械にタップを取り付けて作業を行いますが、人の手で作業を行う場合は、タップ単体では回転させることができません。 そのため、タップ加工を手作業で行う際は、タップを保持して回転させるための持ち手となる、「タップハンドル」と呼ばれる治具が必要です。

タップハンドルには、一般的によく目にする「一文字タイプ」や片手で作業できる「T字型タイプ」、そしてT字型タイプにラチェット機能を持たせた「T字型ラチェットタイプ」などがあります。

タップハンドルを使う際は被削材を水平に固定し、タップを下穴に対して垂直に挿入することが作業品質を高めるためのポイントです。

タップハンドルの種類や使い方については、こちらの記事でも詳しくご紹介していますので、ご参照ください。

⇒タップハンドルについて詳しくはこちら

タップ加工の方法や注意点

タップの加工方法は、切削タップと転造タップで大きく異なりますが、どちらにも共通する注意点があります。タップ加工を行う際の基本的な注意事項は、以下の3点です。

・被削材を確実に固定する
・被削材の材質などに応じて、適切な種類のタップを選定する
・必ず切削油を給油して作業する

また、あらかじめあけられている下穴の径を確認しておくことも大切です。下穴径が適切でない状態でタップ加工を行うと、タップのかじりや破損を招く恐れもあります。

フライス盤やボール盤、専用加工機を用いてタップ加工を行う場合は、適切な切削速度の設定が求められます。機械によるタップ加工を行う場合には、より十分な量の切削油を給油しなければいけない点も注意しましょう。

タップ加工の種類や作業の手順などについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ご参照ください。

⇒タップ加工について詳しくはこちら

タップは簡単に精度の高い作業が行える工具

タップは、めねじのねじ切り加工を行うために幅広く用いられている工具です。旋盤による加工と比較して、簡単に精度の高いめねじを作ることが可能で、ねじ切りバイトでは成形することが困難な小径の下穴にもねじ山を作ることができます。

また、タップは手作業と機械作業の両方で加工作業が行えるため、さまざまな用途に対応できます。ただし、タップには用途に応じた種類があるため、作業の性質や被削材の材質などによって適切なものを選定することが大切です。 用途に合わせてタップの種類を選び、注意点を意識しながら加工を行うことが、タップの利点を生かして高品質な作業を実現するポイントとなるでしょう。

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