超硬ロータリーバーとは? 種類ごとの特徴や選び方、使用時の注意点

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超硬ロータリーバーとは? 種類ごとの特徴や選び方、使用時の注意点

超硬ロータリーバーは、手で持って使用する手動回転工具に取り付けて使う切削工具の一種です。具体的には、どのような特徴を持っている工具なのでしょうか。
この記事では、超硬ロータリーバーの概要や種類、選定時や使用時のポイントについてご紹介します。

超硬ロータリーバーとは

ロータリーバーとは、エアグラインダーや電動ハンドグラインダー、ペン型のリューターまたはルーターと呼ばれる精密グラインダーなど、手動回転工具の先端に取り付けて使う切削工具です。回転する刃先で被削材の表面を削りながら形状を整えるもので、主にバリ取り作業や重研削、仕上げ加工などの作業に使用されます。
ロータリーバーの中でも、超硬合金でできているものは「超硬ロータリーバー」や「超硬バー」と呼ばれ、種類によってはステンレスなど難削材の加工に対応しているのも特徴です。

また、ロータリーバーはカット(刃型)や刃形状にいくつか種類があるため、加工の目的や製品形状、被削材に合わせて使い分けることができます。

超硬ロータリーバーのカットの種類

超硬ロータリーバーのカットの形状は、大きく分けるとスタンダード(シングル目)・ダブル(クロス、綾目)・アルミニウム(幅の広いシングル目)の3種類です。スタンダードは加工面がきれいに仕上がりやすい、ダブルは切削抵抗が小さいなど、カットによって異なる特徴を持っています。

これら以外にもカットにはいくつか種類があり、それぞれ適した加工目的や被削材が異なります。超硬ロータリーバーを選定する際は、カットの種類の確認も重要です。

また、カットの種類それぞれに目の粗さによる違いもあります。粗削りから仕上げまで適した目の粗さの超硬ロータリーバーを使うことで、作業効率を高め良好な仕上げを得られます。

超硬ロータリーバーの形状による用途の違い

超硬ロータリーバーは、加工する箇所の形状に合わせて使い分けられるように、円筒型や楕円型、円錐型など、多くの刃先形状があります。例えば、円筒型の超硬ロータリーバーは平面の加工に適しており、楕円型の刃先形状を持つものは広い曲面箇所の加工に向いています。

効率的な加工を行うために、加工目的や用途、製品形状に応じて適切な刃先形状の超硬ロータリーバーを使い分けましょう。

超硬ロータリーバーを選定する際のポイント

種類が豊富な超硬ロータリーバーから用途に適したものを選ぶためには、どのような点を意識すれば良いのでしょうか。超硬ロータリーバーを選定する際のポイントをご紹介します。

・目的に合わせて刃先の形状を選ぶ

超硬ロータリーバーにはさまざまなタイプの刃先形状があります。加工する箇所の形状や奥行き、R加工にするか直角にするのかなど、目的と実際の加工手順を考慮して刃先形状の超硬ロータリーバーを選定することが重要です。

・シャンク径から選ぶ

手動回転工具に取り付けて使う超硬ロータリーバーを選定する際は、シャンク径も確認する必要があります。通常、日本国内で使われている超硬ロータリーバーのシャンク径は3mmと6mmの2種類です。
安全に作業を行うために、使用するグラインダーに適したシャンク径の超硬ロータリーバーを選定しましょう。

・被削材や求める仕上がりに合ったカットを選ぶ

超硬ロータリーバーはカットの種類によって適した被削材が異なり、同じカットでも目の粗さで切削量や加工面の仕上がりが変わります。例えば、切りくず排出性が高く目詰まりを起こしづらいアルミニウムカットは、軽金属やプラスチックなど比較的柔らかい被削材の切削に最適です。
効率的で仕上がりのよい加工を行うためには、加工したい被削材の材質や求める仕上がりに合わせて、カットの種類や目の粗さを選定する必要があります。

超硬ロータリーバーを安全に使用するための注意点

超硬ロータリーバーをエアグラインダーや電動グラインダーに取り付けて使う際は、回転工具を手で持って振動を抑えなければいけません。人の手で回転工具を持つ以上、作業には危険が伴います。
怪我や事故を防ぎ安全な作業をするため、超硬ロータリーバーを使用する際は以下の点に注意が必要です。

・作業時は手袋・防塵マスクを着用する

超硬ロータリーバーの切りくずは、細かい粉状または針状になって飛び散ります。飛散した切りくずが目に入ったり皮膚に刺さったりしないよう、作業時は手袋と保護メガネ、防塵マスクの着用が必須です。このとき、巻き込みの危険があるため布手袋は推奨されません。
また、作業中は高音の切削音が発生します。防音保護具も着用して作業を行うと良いでしょう。

・適した回転数で作業する

超硬ロータリーバーでの切削作業は、被削材の材質やカットの種類によって適した回転数が異なります。
回転数が遅すぎると切削力が損なわれるだけでなく、刃の欠けを招くことがあります。一方で、回転数が速すぎる場合は過熱による刃の欠けやヘッド(刃部)の脱落、シャンクの変形といった恐れがあり、被削材や刃形状に応じた回転数で作業を行わなければいけません。

安全な作業を行うために、被削材の材質、超硬ロータリーバーの刃形状やサイズに適した回転での使用を意識しましょう。

・取り付けを適切に行う

ハンドグラインダーなどへの取り付けを適切に行うことも、安全に使用するうえでは重要です。シャンクを奥までコレットに挿し込むことで、シャンクの歪みや芯振れを防げます。

突き出しが長い「オーバーハング」と呼ばれる状態で使用すると、刃先の振れが大きくなります。シャンクが長く、奥まで挿し込んでも突き出しが長い場合などは、回転数を落とすなどの対策が必要です。

・無理に押さえつけない

超硬ロータリーバーは回転スピードで被削材を加工していく工具です。そのため、被削材に強く押し当てる必要はありません。強く押し当ててしまうと、刃部の欠損などにつながる恐れがあります。
使用する際は徐々に被削材に当てていくようにして、必要以上の力を込めて押し当てるのは避けてください。

・2ヶ所以上での接触は避ける

超硬ロータリーバーの刃部が2点で同時に接触したり、円周の1/3以上が被削材に当たったりする状態での加工は、跳ねやビビリが発生する恐れがあるので避けましょう。
加工する場所に応じて、最適な形状のロータリーバーを使用することが重要です。

特徴を押さえて超硬ロータリーバーを活用することが大切

超硬ロータリーバーは刃先形状やカット、目の粗さやサイズなどで多くの種類があります。種類によって適した被削材や加工が異なるため、その中から目的に適した製品の選定が必要です。
超硬ロータリーバーの種類ごとの特徴を押さえて活用し、効率的で安全な加工を行いましょう。

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