ラジアルボール盤とは? 他のボール盤との違いや安全に使うための注意点を解説

ラジアルボール盤とは? 他のボール盤との違いや安全に使うための注意点を解説

ラジアルボール盤は、主にドリルなどを使って加工を行うボール盤の一種です。ボール盤には他にも多くの種類がありますが、ラジアルボール盤はどのような特徴を持っているのでしょうか。
この記事では、ラジアルボール盤の特徴やその他のボール盤の種類、ラジアルボール盤を使用するメリットなどをご紹介します。

ラジアルボール盤とは

ラジアルボール盤は、穴あけやリーマ加工、タップ加工などが行えるボール盤の一種です。他のボール盤と異なり、主軸頭を支持するアームがコラムを軸にしてラジアル方向に旋回するのが特徴です。

アームはラジアルアームと呼ばれ、主軸頭がラジアルアーム上をスライドします。コラムが上下、ラジアルアームが旋回、主軸頭が前後にスライドし、上下左右前後のXYZ軸移動が可能です。
高さの調整は、コラムに沿ってラジアルアームが上下するタイプと、テーブルが上下してワークの高さを変えるタイプの2つがあります。

その他のボール盤の種類

ボール盤にはラジアルボール盤以外にも多くの種類があり、加工の目的や方法によって使い分けられています。ここでは、ラジアルボール盤以外のボール盤の種類とそれぞれの特徴についてご紹介します。

・直立ボール盤

床に直接据え付けて使う、スタンダードなボール盤です。主軸は垂直になっており、上下に移動します。ワークを固定するテーブルの形状には丸形や角型があり、穴の位置決めはワークを動かして行います。異なる場所に穴を開けたい場合は、ワークの位置を調整して再固定する工程が必要です。

・卓上ボール盤

作業台の上に固定して使用する小型のボール盤です。基本構造は直立ボール盤と同様で、主軸は上下に動きます。穴径13mmまでの加工に使用できるものが一般的です。

・多軸ボール盤

多数のドリル軸を持ち、同時に複数の穴あけが行えるボール盤です。大量生産に適していて、多くは特定製品の加工に合わせた専用機として使用されています。

・多頭ボール盤

1つのテーブルに対して、複数の主軸頭を持つボール盤です。あらかじめ複数の切削工具を主軸頭に装着しておけば、異なる加工を連続で行えます。

・深穴ボール盤

通常のボール盤よりも深穴の加工に特化したボール盤です。ガンドリルや深穴加工機とも呼ばれます。

・タレットボール盤

タレットという回転式の刃物台を備えたボール盤です。タレットに装着した複数の工具を使い分けることで、連続して加工を行えます。

ラジアルボール盤を活用するメリット

多くの種類があるボール盤ですが、ラジアルボール盤を活用するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。ここではラジアルボール盤の原理と、活用のメリットをご紹介します。

・連続の穴あけ加工で効率が高い

ラジアルボール盤は、主軸頭が上下左右前後に動く機構を持っています。そのため、1つのワークに複数の穴を開ける場合でも、ワークの位置を動かしたり再固定したりせずに加工可能です。連続で穴あけを行いたいシーンでは、高い効率を発揮します。

・ワーク固定時の傷つき防止

ラジアルボール盤の主軸頭が、旋回・水平移動できる範囲なら、ワークを再固定して位置決めをする必要がありません。これにより、ワーク固定時に傷や打痕がつくリスクを減らせます。

・サイズの大きいワークにも対応

卓上ボール盤や直立ボール盤の場合、テーブルの広さやふところ寸法によってワークのサイズが制限されます。一方、ラジアルボール盤はラジアルアームによりふところが深く、サイズの大きいワークも加工できるなど、幅広い材料の穴あけに使用可能です。

・角度をつけた加工が可能

ラジアルボール盤には主軸頭の角度を変えられるものもあります。角度を変えられるタイプの場合、斜めにドリルを進めるような使い方もできます。
ワークを再固定することなく、あらゆる場所にあらゆる角度から加工が行える点も、ラジアルボール盤の強みです。

ラジアルボール盤を使用する際の注意点

ラジアルボール盤を含め、ボール盤での作業時には事故の危険がともないます。安全に作業を行うために、ラジアルボール盤を使う際の注意点をご紹介します。

・巻き込まれ事故が発生しない服装で作業する

ラジアルボール盤を含め、ボール盤を使った作業では巻き込まれ事故が多発しています。布製の軍手や袖口・肘部分の幅が広い長袖衣類の着用は避ける、長髪は後ろでまとめるなどして巻き込みを防止しましょう。

・保護メガネの着用は必須

ボール盤での作業時は切り屑や切削カスが飛散します。保護メガネを着用し、目を切り屑から守る必要があります。

・ワークの固定は確実に行う

ワークがしっかり固定されていないと、加工精度の低下や工具の破損につながります。それだけでなく、ワーク自体が高速回転したり飛んでいったりして、人体にぶつかる恐れもあります。ワークの固定は確実に行うことが重要です。

・コラム・アーム・主軸頭なども固定する

コラムやラジアルアーム、主軸頭は位置調整したあとに固定レバーで確実に固定しましょう。固定が確実でない場合、工具破損や軸ブレによる加工精度の低下を招く恐れがあります。

・被削材に適した切削工具の使用

被削材に不適切な切削工具を使用すると、精度低下・工具破損・効率低下につながります。また、破損した工具による事故のリスクも考えられます。
工具の素材やコーティングの材質、すくい角などをよく確かめ、被削材に適した工具を選定することが重要です。

ラジアルボール盤は適切な使い方で高効率の作業が可能

ラジアルボール盤は、ワークの固定回数を減らし、高い効率での連続作業が行えるボール盤です。大きなワークの加工も得意としていて、幅広い使い方ができます。
今回ご紹介した特徴や注意点を踏まえてラジアルボール盤を正しく使い、安全で高効率な作業を行いましょう。

この記事を読まれた方はこんな記事も読まれてます