切削工具とは? 工具の材質や代表的な種類について解説

切削工具とは? 工具の材質や代表的な種類について解説

切削加工では、加工の種類や被削材の材質、目的とする形状に応じて、複数の工具を使い分ける必要があります。この切削加工に使用される工具が「切削工具」です。
この記事では、切削工具の特徴や用いられている材質、代表的な切削工具の種類などをご紹介します。

切削とは?

切削加工とは、刃物によって材料の不要な部分を削り取り目的の形状にする除去加工の一種です。代表的な切削加工としては、旋盤を使う旋盤加工や、フライス盤を使うフライス加工などが挙げられます。

旋盤加工は、回転させた被削材に切削工具を押し当てて切削を行い、断面が円形になる形状への加工を得意とする加工です。
一方でフライス加工は、旋盤加工と異なり、工具を回転させながら被削材に押し当てることで加工を進めます。被削材を平行に移動させるため、平面や直線状の段差形状への加工が得意です。
これらの加工では、コンピュータによる数値制御で加工を行うCNC旋盤やCNCフライス盤、複数の加工を1台で行える複合工作機械が近年の主流となっています。

これらの切削加工に使われる刃物が、切削工具です。加工の種類や材料、目的の形状が多くあるように、切削工具もそれに合わせて多くの種類が使われています。

切削工具の材質の特徴

金属を削り取る切削工具には、被削材となる金属に対して3~4倍の硬さが必要です。硬さが不足した場合は加工精度が落ち、工具もすぐに刃物として使えなくなってしまいます。
とはいえ、ただ硬いだけの素材で切削工具を作れば良いわけではありません。硬いだけの材質では脆く欠けやすいため、工具としての性能が落ちてしまう可能性があります。切削工具の素材は、被削材の材質に合わせて、硬さと粘り強さのバランスを取っているのです。

切削工具に使用される材質で最も硬く耐摩耗性に優れるのはダイヤモンドです。次いで、CBN焼結体やセラミックなどが挙げられます。
一方、粘り強さに優れて欠けにくい特徴を持つのが、炭素工具鋼や合金工具鋼といった素材です。

硬さも粘り強さも中間的な特徴を持っている素材として、超硬合金や高速度工具鋼(ハイス鋼)などもあります。ただし、ハイス鋼は熱に弱く、600°以上になると極端に摩耗が進むため、切削熱の大きくなる重切削には向いていません。

代表的な切削工具の種類

切削工具には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、代表的な切削工具とそれぞれの用途をご紹介します。

・ドリル

穴あけ加工に使われる切削工具がドリルです。穴径や深さなどに応じて、複数の種類が使い分けられます。主にボール盤やハンドドリルに取り付けて使われます。

・リーマ

リーマは、穴の内面の仕上げ加工を行う工具です。指定の表面粗さがあったり、高い精度が求められたりする場合に使われます。テーパ穴を仕上げるテーパリーマなどの種類があり、材質や加工条件に応じて使い分けられます。

・エンドミル

フライス加工に使われる工具の一種です。工具を回転させ、先端や側面の刃で被削材を削り取って加工を行います。先端が平らでスクエアエンドミルや、先端形状がボール型のボールエンドミルなど、エンドミルの種類によって仕上がる形状も異なります。

・フライス

エンドミルと同じく、フライス加工に使われる工具がフライスです。エンドミルより一度に削り取る量が大きく、高速加工を行えます。正面フライス(フェイスミル)と呼ばれるものが一般的ですが、隅削り(ショルダーカッタ)もあります。
フライスは円周上に多くの刃を等間隔(または不等)で並べていて、被削材の平面を効率的に削れるのが特徴です。側面に刃がついた平フライスや、溝加工に適した溝フライスなどの種類もあります。

・バイト

旋盤加工に使う切削工具です。旋盤加工は、回転させた被削材に工具を押し当てて切削を進めるため、ドリルやエンドミルとは異なり固定して使います。
被削材の外径加工に使う剣先バイトや片刃バイト、溝加工を行う突切バイト、円筒の内面を加工する中ぐりバイトなど、加工の目的に合わせて多彩な種類があります。

・タップ

ねじ山を作る切削工具で、雌ねじを作るために使うのがタップです。目的のねじ径より小さなサイズの下穴に対して、タップを回転させながら挿入し、ねじ山の形状に合わせて不要な部分を削り取ってねじ山を作ります。
手作業による加工やボール盤、フライス盤、旋盤での加工に加えて、タッピング盤というタップ加工専用の工作機械で使われることもあります。

・ダイス

雄ねじを作るために使う切削工具がダイスです。円筒形状の被削材を回転させながらダイスに通すことで、不要な部分を削り取ってねじ山を作ります。
手作業による加工をはじめ、ホルダを使用してフライス盤や旋盤、ボール盤に取り付けて使用します。

切削工具の種類や特徴を知り、加工に適したものを選ぼう

切削加工に用いる工具は、加工の種類や加工したい形状、被削材の材質などに合わせて使用する必要があります。切削工具の種類ごとの特徴を踏まえて、どの工具が適しているかを考えると良いでしょう。
被削材の材質や求める加工精度、加工数量によっては、工具材質にも配慮して選ぶことが大切です。