中ぐり盤とはどんな機械? 中ぐり盤の概要や種類をご紹介

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中ぐり盤とはどんな機械? 中ぐり盤の概要や種類をご紹介

中ぐり盤とは、「中ぐり加工」に特化した工作機械の呼び名です。中ぐり盤で行える中ぐり加工とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。 この記事では、中ぐり盤に関する基礎知識やその種類、似た作業が行えるほかの工作機械との違いなどについてご紹介します。

中ぐり盤とは?

ドリルなどで穴あけ加工された被加工材に対して、その穴を内側からさらに削り大きくする加工のことを「中ぐり加工」と呼びます。中ぐり加工に特化した工作機械が「中ぐり盤」です。 中ぐり盤は、中ぐりバイトやボーリングバーと呼ばれる切削工具を回転させながら被加工物に当てることで、穴を繰り広げていきます。ドリルの直径よりも大きな穴を開けたい場合や、加工精度が必要とされる穴の加工に使用されるのが一般的です。 作業の基本構造が中ぐり加工のほか、ドリル加工やフライス加工とも共通しているため、中ぐり盤では中ぐり加工だけでなく、ドリル加工やフライス加工などを行うことも可能です。 中ぐり盤の歴史は古く、第一次産業革命前にさかのぼります。第一次産業革命の大きなきっかけとなった蒸気機関の発明は、中ぐり盤によって成し得たといっても良いでしょう。当時、蒸気機関の開発を進めていた英国の発明家ワットは、実用レベルで効率の良い蒸気機関には精度の高いシリンダーが必要であると考えました。そこでワットは製鉄業者だったウィルキンソンに中ぐり盤の製作を依頼し、蒸気機関の改良が達成されたという背景があります。 ウィルキンソンの設計した中ぐり盤の登場を契機に、精密な機械部品を製作する「機械の母(マザーマシン)」と呼ばれるさまざまな工作機械が発展していったのです。

中ぐり盤の種類

中ぐり盤にはいくつかの種類があり、それぞれが異なる用途や性質を持っています。ここでは中ぐり盤の種類と、種類ごとの特徴についてご紹介します。

・横中ぐり盤

主軸(切削工具の回転軸)が水平方向(横向き)に設置された中ぐり盤です。 主軸が垂直方向になっている立型の中ぐり盤よりも切り屑の排出性が高く、大きな穴や深い穴の加工が行いやすい点が特徴です。また、加工の際には主軸を動かして作業が行われるため、被加工物を動かす必要がなく、大型の加工物を作成したい場合にも適しています。

・立中ぐり盤

主軸が垂直方向(縦向き)に設置されている中ぐり盤です。 主軸の重量によるたわみが少ないため、安定した精度で加工を行えますが、行う加工の種類が貫通穴を開けるものではない場合、切り屑の排出性が課題となります。

・ジグ中ぐり盤

高精度が求められるジグ(治具)の穴あけ用途に使われていた中ぐり盤で、ジグボーラーとも呼ばれています。主軸の位置を高精度に位置決めする装置を備えていて、ミクロン単位での精密な加工が行えるのが特徴です。 中ぐり盤が進化していく中で、ジグの加工にとどまらず汎用的に使われるようになり、高い精度が要求される精密な中ぐり加工を行う際に多く用いられています。 また、ジグ中ぐり盤は主軸の向きによって「立型ジグ中ぐり盤」と「横型ジグ中ぐり盤」の2種類に分けられます。

・NC中ぐり盤

数値制御装置(NC)を備えた中ぐり盤です。 中ぐりや穴あけなどの加工作業をプログラミングに沿って自動で行うため、効率的で正確な作業と省人化を実現できます。

中ぐり盤とマシニングセンタの違い

中ぐり盤で行える中ぐり加工は、マシニングセンタでも行うことができます。 マシニングセンタはATC(オートツールチェンジャー)と呼ばれる工具交換装置を搭載しているため、人の手で工具を付け替える必要がありません。穴あけやねじ立て、フライス加工などの異なる作業を連続して行え、加工精度のバラつきを抑えつつ大量生産できるのがマシニングセンタの大きなメリットです。 その一方で、中ぐり盤は中ぐり加工に特化されており、マシニングセンタよりも精度の高い中ぐり加工を得意としています。横中ぐり盤の場合は、マシニングセンタと比較してテーブルに置ける被加工材の制限が少なく、大きな被加工物の加工も可能であることも利点です。求める加工精度が高くなるほど、中ぐり盤を使用するメリットが大きくなるといえます。

中ぐり盤は高精度な穴加工に欠かせない

中ぐり盤は長い歴史を持っており、第一次産業革命の時代から現代にいたるまで、ものづくりの現場で活躍し続けている工作機械です。 特に、穴加工の精度が作業の完成度を左右するような場面では、今も中ぐり盤を活用する必要があります。汎用性が高く便利なマシニングセンタの登場後も、マシニングセンタでは加工できない大型の被加工材や、より高い精度が求められる穴加工において、中ぐり盤は欠かすことができません。 中ぐり盤は形状によりいくつかの種類に分けられます。被加工材や加工精度なども踏まえて、適切な中ぐり盤を活用することが、穴加工の精度を高めることにつながるでしょう。

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