CNCプログラムとは? プログラミングに欠かせない入力方法やCADの基礎知識

CNCプログラムとは? プログラミングに欠かせない入力方法やCADの基礎知識

CNC工作機械は「CNCプログラム」と呼ばれるプログラムで加工の動作や順番を決定し、実際の加工作業はプログラムに沿って行われます。このCNCプログラムは、どのようなプログラミングやコードを使用して作られているのでしょうか。
この記事では、CNCプログラムの概要や、プログラミングを効率化するために使用されているソフトなどについてご紹介します。

CNCプログラムとは?

CNCとは、コンピュータ数値制御(Computerized Numerically Controlled)の略称です。CNCプログラムは、CNC工作機械を制御するためのプログラムのことを指します。
CNC加工ではコンピュータを使って、数値で指定した通りに主軸または工具を制御し、加工を進めていきます。

以前はコンピュータではなく、マイコンによる数値制御で加工する「NC工作機械」が一般的でした。その後、工作機械にコンピュータの搭載が進められたことに伴ってCNCの普及が進み、現在はCNCが工作機械による加工方法の主流になっています。
数値制御といえばコンピュータで行うのが一般的になり、NCとCNCを呼び分ける必要がなくなったため、現在はNCと表現していてもCNCを指していることがほとんどです。

CNCプログラムで使われるGコードやMコードの違い

CNCプログラムでよく使用されるコードに、「Gコード」と「Mコード」の2つがあります。ここではGコードとMコードの特徴やそれぞれの違いをご紹介します。

・Gコード

Gコードは「準備機能」とも呼ばれ、加工の順番や方法を設定するCNCプログラムにおけるコードの一種です。
アルファベットのGと番号で示され、それぞれが決まった動作パターンを表しています。一般的には「G0」から「G99」までがあり、Gコードを組み合わせることでCNC工作機械の動作設定が可能です。
ただし、CNC工作機械のメーカーや機種によって、コードの仕様が異なる場合もあります。

・Mコード

Mコードは、「補助機能」とも呼ばれています。CNC工作機械の、主軸以外の補助装置を動かす指令を出すCNCプログラムのコードです。
具体的には、加工時に噴射される切削油の吐出量やタイミング、チャックの開閉など、加工動作を補助する部分の指令を行います。各コードの表記はGコードと同じで、Mに続く数字で表されます。

Gコードはある程度共通である一方、Mコードは工作機械ごとの仕様に依存するのが特徴です。同じ番号のMコードでも、メーカーによって内容が大きく異なる場合があるため注意しましょう。

CNCプログラムの入力方法

CNCプログラムを入力する方法は、オペレーターが手入力するマニュアル入力と、PCによって入力するデジタル入力の2種類があります。
マニュアル入力は、CNC装置にある入力インターフェース(キーボード/キースイッチ)を使って、オペレーターがプログラムを手入力する方法です。すべて担当者が考えて打ち込まないとならず、難易度が高いというイメージを持たれがちですが、対話式CNCプログラミングのように簡単に入力できる方式もあります。

一方、デジタル入力はCADとCAMを使ってCNCプログラムを生成する方法です。CADで作成した図面をCAMによって自動で変換し、CNCプログラムに書き起こすという手順で行います。CADには外部から図面データを取り込めるものも多く、図面データがあればCNCプログラムを自動生成することも可能です。

CNCプログラムで欠かせないCAD/CAM

図面からCNCプログラムを作成する際には、専用のソフトやアプリケーションが必要です。迅速かつ自動的にCNCプログラムを生成するためには以下のようなソフトが用いられています。

・CAD

CAD(キャド)とは、「Computer Aided Design」(コンピュータ支援設計)の略で、コンピュータを用いて設計を行うためのツールです。
手書きよりも製図が簡単で、修正を行いやすいというメリットを持ちます。

・CAM

CAM(キャム)は「Computer Aided Manufacturing」(コンピュータ支援製造)の略で、製品製造のためにCADで作成したデータを、入力データに変換するツールです。

CNCプログラムのためのアプリケーションは、CADとCAMどちらの機能も備えている場合が一般的です。また、加工工数のムダを省く機能や、衝突確認のためのシミュレーション機能を備えている場合もあります。

CNCプログラムで工作機械での加工作業を効率化しよう

CNC工作機械なら、コンピュータによって数値制御を行い、正確で再現性の高い加工を行えます。CNCのプログラミング作業は複雑で難しいという印象を持っている方が多いかもしれませんが、CAD・CAMを用いて、図面があればプログラムを自動生成することも可能です。
CNCプログラムに関する知識を深めれば、より効率的なCNC工作機械での加工を実現できるでしょう。